こんにちは!コレクティブ・スクール 探究コーディネーターの沢井です!11月19日(火)に行われたコレクティブ・スクール 第2ターム発表会の後編をお届けします!(前編はコチラ)
無駄遣いをなくす!~小学5年生 女の子の発表~
3人目に登壇したのは、小学5年生の女の子。彼女は、スクールが入っているビルのオフィスで紙コップがたくさん捨てられていることが気になり、「紙コップの無駄な消費を減らしたい!」と考えるようになりました。
最初に行ったのは、紙コップの使用量を調べること。自分で測定方法を考え、1週間で捨てられた紙コップの数を記録しました。同時に、オフィスにいる人たちにもインタビューを行い、「紙コップを使う理由」を探りました。
調査の結果、オフィスで使用された紙コップは1週間でなんと100個以上!もあることがわかりました。また、インタビューからも「マイカップは洗うのが面倒」「(マイカップを持っていても)違う飲み物を飲むときには紙コップを使ってしまう」など様々な気づきを得ることができました。
この現状を知ってもらうことで紙コップの使用を減らせるのでは?と考え、まずは紙コップ置き場の近くに消費量を掲示してみました。これにより、紙コップの使用量は1週間で86個に減少。しかし、彼女は「あまり大きな解決にならなかった」と感じ、別の方法も模索をはじめます。
次に考えたのは「マイタンブラーの普及」。普通のタンブラーではなく、愛着を持って使ってもらえるタンブラーを考えることにしました。そして考え着いたのがベナン産の布「パーニュ」を使ったカスタムタンブラー。
色鮮やかなデザインで、持つだけで楽しくなるだけでなく、ベナンの繊維産業にも貢献できる仕組みです。このタンブラーを活用し、今後は「資源の大切さ」と「ベナンの文化」を知ってもらうワークショップに挑戦したいとのこと。身近な課題をきっかけに視野を広げた彼女の取り組みに、会場からは大きな拍手が送られました。
社会との協働から得た学び
第2タームでは、大学院でナッジの研究に取り組む研究者の方や、オフィス用品のリサイクル事業を手掛けるカウネット様にもご協力いただきました。いっしょにディスカッションをしたり、アイデアへ意見をもらったりすることで、社会と協働した学びをつくることができたのではないかなと思います。あらためて、協働いただいた方々にお礼申し上げます。
最後に、子どもたちは発表の中でこんな声を上げていました。
「アイデアを実際に試してみると、うまくいく部分とうまくいかない部分があった。」
「自分の考えだけじゃなく、違う意見や視点がとても大事だと思った。」
「いろんな人が気持ちよくなるようなアイデアをもっと考えたい。」
このような考え方・感じ方は、”エクスペリメンタル・マインド(試してみる・やってみる)”や”対立やジレンマを克服する力”として現在、非常に重要視されています。子どもたち自身からこのような声がでてきたことを、私も心からうれしく思います。
子どもたちの成長と次へのステップ
今回の発表会では、子どもたちがそれぞれのテーマと真剣に向き合い、アイデアを実践し、学び得てを次へとつなげようとする姿が印象的でした。社会課題に対して「知識として学ぶ」のではなく、「行動し、経験を通じて学ぶ」ことが、彼らの成長をより深いものにしているのではないかなと思います。
コレクティブ・スクールでは、これからも社会課題への挑戦を通じ子どもたちの探究的な学びをサポートしていきます。次のタームでの新たな挑戦にもご期待ください!